2013年01月05日

世界は交わるのだろうか

自分の家しか知らなかった頃、
自分の家が世界だった。

世界は
人の数ほどあると知ったのは
恥ずかしいことだけど
それほど昔のことではない。

時々はっとする。
ずっとそばにいる人が
全く違う世界を抱えていることに。

誰よりも近くて
誰よりも遠い人。

わたしは時たま
彼の世界を覗くことがあるけれど、
彼は見ようとしない、
わたしの世界を。

そんなことにも
最近になって気づいてしまった。

気づかなければ
よかったかしら。

だけど
みんなそうなのかもしれない。

誰も共有しようとしない世界で
誰かに向かって
一心に叫んでいるのかもしれない。



聴こえてくるよ。

耳をすませてごらん。






posted by 結 at 00:26| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年03月05日

矛盾

人の話を聴くのは好き。
でも、人に会うのは面倒臭い。

一対一が好き。
大勢は苦手。
人が集まる場所に行くと
すぐ帰りたくなる。

ひとりが好き。
でも、ひとり暮らしはしたくない。

わがままなのはわかっている。
いつかひとりになるだろうことも。
(その日のために自分を鍛えなければ・・・)

ひとりでできることが好き。
だけど・・・

誰か
一緒に写真を撮りにいきませんか。

誰か
手紙を交換しませんか。

誰か
読んでいる本や観た映画について、
好きだったことや好きなことについて、
不安や恐れや希望について
話をしませんか。
つまり、人生について。


posted by 結 at 00:22| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年03月08日

いきなり春

これまでずっとそうだったように
これからもずっと
冬に閉じ込められているような気がしていたのに
いきなり春なのだ。

それなのに、
いつものような、わくわく感がないのは
どうしたことだろう。

聞こうとしなくても聞こえてくる、暗澹としたニュースや
ちょっと覗けば目に入る、明るくなりようのない情報に囲まれていると、
冬こそがこの時代にふさわしい、という気持ちになってくる。

だけど。
人がどういう状況にあろうと、どんな思いを抱いていようと、
季節は巡り、変わらないように思える事柄も少しずつ変わっていく。
良い変化ばかりではなくても、それはひとつの救いであるのかもしれない。

毎日閉じられていくページを感謝して見送ろう。

春ばかり続く人生はないだろうけれど、
冬ばかりの人生もないはず。

冬と思われている老年にだって小春日和はある。きっと。

穏やかな一日があなたにありますように。


posted by 結 at 18:07| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年04月09日

巡る季節に

暖かすぎて
咲かずにはいられなかった
花たち

コブシも
モクレンも
あっという間に咲いて
あっという間に盛りを過ぎた

桜だけは
ゆっくり咲いてくれたけど
戸惑いが大きすぎて
ゆったりとは楽しめなかった

季節は
必ず巡ってくるけれど
これからはきっと
昔とは違う

気づかなかっただけで
変化することのない
当たり前のものなど
ひとつもないのだ

***

わたしが囲まれていたはずの
優しい景色は
いつの間にか
色合いを変えてしまった

季節は
必ず移り行く
いつまでも
春に留まってはいられない

色は深みを増し
より複雑になり
哀しみをまとう

けれど
大好きな
パステルカラーだけは
手放さずにいよう

posted by 結 at 00:46| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

探し物

ふと思う
探しているのは
自分なのだと

普段
聴いてばかりで
思っていることを
話すことはほとんどないから
わからなくなる

わたしって誰?


思っていることを言葉にしたら
ほとんどの人は引いてしまう

だからネットに書くことで
確かめていたはず
自分の気持ちを

最近
書くことがほとんどなくなって
自分を見失っている


そういえば
陽水さんが言ってたな

「探しものは何ですか
 見つけにくいものですか」

はい、とても。

posted by 結 at 13:21| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年07月19日

違和感

「わたし、若いころのこと、あまり覚えてなくて」

友だちが言う。

若いころのことを覚えていないとすれば、
ふたりが共有するものは
年に一度の年賀状と
2年前から何度か交わした
メールのやりとりだけだ。

「7時間話したってすごくないですか」

そう言う友だちは
わたしがほとんど話さなかったことに気づいていない。

女が4人集まって
そのうちの2人がしゃべりたい人だったら
あとの2人は時々合の手を入れるだけで
何時間でも過ごせる。


しゃべりたかったのではない。

わたしの感じた違和感は・・・

わたし以外の3人が
共有している世界の外にいたわたしは
3人と同じ想いにはなれなかった
というだけのことだ、
たぶん。

それから

卒業して数十年が経過し、
みんなはちゃんと大人の女性になっている。

だけどわたしは
外見は変わっても
あの頃の自分とどれほどの違いがあるだろうか。


確かに時代は変わった。
人の価値観も変わったらしい。
びっくりするほど。
到底取り戻せないほど。


けれどわたしは
あの頃とさほど違わない世界に留まっている。








posted by 結 at 07:48| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年07月29日

わたしの欠片

相手のことを想いながら
ブレスレットをつくるのは
ほんとうに楽しかった

ブレスレットを見たら
思い出してね

わたしがいつかいなくなっても
あなたのそばに
わたしがいる

そう思うと
ちょっと嬉しい気持ち

いくつも
いくつも
ブレスレットをつくった

でももう
喜んでくれそうな相手がいない


次は
わたしの
欠片を
何に託そう?




posted by 結 at 23:50| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年08月06日

手紙

手紙を書く
住所だけしか知らない人に
手紙を書く
その時のありったけをこめて

届くだろうか
返ってくるだろうか

そんなことは考えない

大事なのは
書くこと
書きつづけること

どこかの誰かに向かって
ここにいるよ
生きているよ
と伝えること


posted by 結 at 07:29| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年09月15日

意欲

どうも人と話が合わない。

友だちのように
いろんなところに行きたいとも思わないし
美味しいものを食べに行きたいとも思わない。

観たいテレビもないし
スポーツにもスポーツ観戦にも興味がない。

人の集まるところは苦手だし
一体その人たちと何を話したらいいのかもわからない。
おしゃべりな相手の聞き役ならば、いくらでもできるだけれど、
あまり自分を出してはいけない。

彼はわたしとは正反対で
何にでも興味を持つ。
話題には事欠かないから
誰とでも友だちになる。

今度は奥さんを連れてきて
と時々言われるらしいが、
わたしはこっそり首を振る。
彼から思い描く「奥さん」はたぶん
わたしとは大きく隔たっている。
だから、会わない方が良いですよ。

したいことがないわけではない。
好きなことがないわけではない。
けれど、したいことも好きなことも
ひとりでできる、ひとりの楽しみ。
たまに誰かとしたいことがあっても、
相手が見つからない。

文通は、そんなわたしが唯一誰かとできること。
だけど、あまりにも単調なわたしの生活と
面白みのない文章に嫌気がさしてか、
文通相手も、ひとり、ふたりと去ってゆく。
あまり書くスペースのない葉書ぐらいのやりとりが
ちょうどいいのかもしれない
と最近思っている。

わたしの世界は狭すぎる。
わかっているけど、
どうしたらいいのかわからない。

だけど、もしかしたら、
こんなことを考えること自体、おかしいのかも。




















posted by 結 at 17:06| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年09月16日

光のあとを

心に響くものに
忠実に

それだけは
守ってきた

振り返ると
呆れるような
こともあるけれど

わたしの目には
キラキラ光る
ものたちが
確かに見えた

ただ
そのあとを
たどってきた

それが
どこかに導いてくれることを
信じて

どういう仕組みかは
わからないけれど
求めていれば
示される
ひとすじの光
のようなもの

そのあとを
ついていこう

一回きりの
人生

人と違っていて
いいじゃない

違っているのが
いいじゃない



posted by 結 at 17:43| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年10月01日

荒野にひとり

わからなくなっちゃったんです
最近

そう言った途端
そうじゃないと
心の中で首を振った

わからなくなったのではない

自分が属しているはずの場所でも
自分は異邦人かもしれないと
気づいただけ

そっくり同じものを信じている人なんて
どこにもいないのだ

人はひとりで立たなくてはならない

闇の迫る
宇宙の果てのような
それぞれの荒野で

けれど
目を凝らせば見えてくる
あそこにもここにも
瞬く
かすかなあかり

それは
あなたかもしれない




posted by 結 at 17:28| 2013年 | 更新情報をチェックする

2013年12月11日

思い出

何度も何度も
同じ話を繰り返す

初めて聞いたような顔をして
頷いて聴いている

前にも話したかしら?

そう尋ねることはなく

前に聴きましたよ

と言うこともない


お姑さんに従順に仕え
血のつながりのない子どもたちや家族のために
休まず働きつづけた
数十年の間
繰り返し蘇える思い出に
どんなに支えられたことだろう

何度も取り出された思い出は
少しも古びることがなく更新さえされて
老婦人は一時
少女に戻る



posted by 結 at 00:31| 2013年 | 更新情報をチェックする
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