2007年12月08日

彼の夢・彼女のこと

中学の頃好きだった人に再会して
ふたりで歩いていた。

「元気だった?」

「うん、今は楽に生きてるよ」

それを聞いたら、涙が溢れてとまらなくなった。
わたしの顔を覗き込んで彼が言う。

「どうしたの?」

「あの頃は本当に大変だったものね
 今は辛くないのね? よかったぁ・・」

彼がそっとわたしの手を握る。
手をつないで歩く。


                     ***


一度だけ彼の家に行ったことがあるが、手を握るなんていうこともなく、

ただひたすら彼の話を聴いた。


彼には聴いてもらえる、彼にはわかってもらえる、

そう思い込んでいた。


彼のことを思いつづけた5年間はわたしを育ててくれた。

けれども、重たすぎるわたしの想いが彼に届くことはなかった。


数年後、彼の恋人という人が突然訪ねてきた。

その人は中学の後輩で、わたしのことも彼のことも中学の頃から知っていたという。

その人から相談を受けるようになったわたしは、それまで知らなかった彼を知ることになった。

わたしはその人と友だちになった、彼抜きで。


彼と結婚したその人と、わたしは数年間年賀状の交換をしていたが、

そのうち、その人からの便りはぷっつり途絶えた。


わたしはほんとうは彼よりその人のことが心配。

線の細いナイーブな人だったから。

彼は大人になれない人だったから。



posted by 結 at 02:16| 2007年 | 更新情報をチェックする
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